髑髏城の七人@青山劇場

2011/9/13 ソワレ
ワカドクロ、どうなってることかと思ったけど、思ってたよりも全然よかった。大阪経てのこなれた結果なのかもしれないけど。とりあえずキャストの面々の感想をば。内容の部分は別に書こうかな。ネタバレご注意を。




小栗氏の捨は優男キャラ。タッパがあって白の着流し似合っててちゃんと新感線の主役してた。見終わった直後の感想は、過去のドクロより群像劇度は上がってたけど、それでも「ああちゃんと捨之介が主役だったな…」ってことだったもの。ただ、殺陣はどうしても未來太一と比べると分が悪い。捨にとっての一番印象的なシーンであろう百人斬り&最後の一騎討ちが、どうしても二人の影に霞んじゃう部分はあるので、そうすると、あとから思い出そうとすると特に印象的なシーンが少ないことになっちゃうんだと思う。個人的には、蘭が死んで瞼を閉じてやったあと、刀の鞘を捨てて抜き身で天魔を追うシーンすごく良かったな。中島脚本においての刀の鞘を捨てて戦いに行くシーンは「=生きて帰らない覚悟」の象徴だけど、覚悟がちゃんと伝わってきた。
未來は噂に違わずエキセントリックな天魔王(笑)ちょっとおもしろい人になってた感じも。重たさには欠けるので、髑髏党の面々が何故彼につき従うのか、という説得力の点ではどうなんだろう、とちょっと思った。殺陣も敦盛もさすがの出来でした。
太一の蘭兵衛はさすがの殺陣だったけど、セリフまわしがまだまだちょっとな…。パターンが少ないよね。あと、抑え気味に話してるとこは、聞こえるっちゃ聞こえるんだけど、ちょっと内にこもる傾向のある声なので、意識を集中して聞いてないと聞き取りづらい。逆に声張ってるとこは響く良い声なんだけどね。なもんで、太一絶賛の感想をよく某掲示板でも見てたけど正直それには違和感。セリフのことが気になっちゃってて未來とのスパークっぷりに浸りきれず。私、蘭兵衛に求めてるものが多すぎるのかもしれん(笑)
小池栄子太夫は最高に素敵だった。色気も里を率いていく女主人ぷりもどっちもすごくよかった。声も通るししかも殺陣まで上手いんだもの。姐さんついていきます!って感じですマジで。
勝地は会見のときのいじられ方で体力もつのか心配してたけど、無用な心配でした。ちゃんと兵庫してたと思ったなぁ。しかも今回は百人斬りつきだもの。よくやってたと思う。勝地の兵庫嫌いじゃないです。じゅんさんのような「俺についてこい!」感は少ないけど、荒武者隊が放っておけない、助けてあげたくなる兵庫像はよかったと思った。
里依紗は、声を潰しちゃってるって話だったので心配してたけど、結構持ち直してきたというか、ときどきかすれたりするけど太い声出るようになってた気がする。あとは走るシーンはもうちょっと頑張って前傾姿勢になってくれ!って感じだなぁ。八百屋舞台でキツイのは承知だけど、つんのめるくらいのつもりで前傾にならないとすごーく足遅く見えるんだよね。山の娘じゃないでしょ、って感じになっちゃうので。
聖子さん。盤石ですね(笑)新感線の新感線たる部分を今回一手に引き受けててお見事。かずきさん、新感線における刀鍛冶の常套句である「美しい」をそう使うとは、という(笑)みんなのお母ちゃんぷりが素敵だったなぁ。
粟根さん。メガネなし!「CLOUD」でメガネなしだったからですか、いのうえさん!とっても素敵だったけど、使い方としてはかなり勿体なかったかなぁ。
サンボさん。やっぱり三五は当たり役だなぁ。パンフにも書いてあったけど今回はおちゃらけたところは抑え気味。「二幕は出番なしかと思って帰り支度してた」+マジソンバッグ、がないのはちょっと寂しい気も。カテコは一人で出させるべきでしょう!
千葉さん。今回若いキャスト多いから、ビジュアル的にもだいぶ落ち着いた感じの次郎衛門という印象。でもちょっとお茶目。影武者設定がなくなったことで、シルエットのシーンのとこの語り(ってか謳い?)がないのが残念かなー。次郎衛門の見せ場はあそこだと思ってるので。

メインキャストだけでもこの分量(笑)いつもは、観劇しても感想残さないことが多い私が、書かずにいられないっていうのがやっぱり「髑髏城の七人」の脚本の威力なんだろうなぁ…。